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最近、「アート思考」「アートシンキング」という思考概念が社会全般、ビジネスの世界でも注目されています。WithコロナからAfterコロナへと先行きがみえない時代、前例のないこれからの社会において、新たな価値を生み出せる能力とも期待されています。実は、幼児教育と非常に関係しているので、今回はこの話題を取り上げます。

さて、アート思考とはどんなものでしょうか?絵画や音楽教室に通っていれば身につくというものではありません。また、突拍子もないことを思いついたり、言ったりするだけのファンタジーではアート思考とは呼べません。

アート思考とは、(パワフルな)内発性によって自分のしたいことや自分なりの視点があることに加え、没頭によって試行錯誤をくり返す思考法を意味します。それによって光を放つ表現や創造=社会的に価値があるものが生まれるからです。

アート思考を身につけるためには、“いつでも自分が出発点”として大事にされる生活習慣が必要であり、幼児期の人格形成期にとても大切なことです。同時に、フロー体験(没頭体験)による試行錯誤もセットで必要であり、特に手指を使っての積み重ねが大切です。それによって周りが少しぐらい騒がしくても集中力が途切れない、やり遂げられる強さも備わります。

アート思考では自分のやりたいことや自分の考えを持つことが大切ですが、親や保育士が「何がやりたいの?」「自分の考えは?」と問うことで身につくものではありません。パワフルな内発性とはむしろ大人側からすれば忍耐の継続から生まれ、子ども側からは集中の持続とトライ&エラーの積み重ねを通じて形成されるものです。

アートの語源はラテン語での「技術」にあたると言われています。芸術と技術は同義語ではありませんが、過程では必ず技術を伴うものと思い、奥深さを感じます。私はアート思考とは、文系的な要素と理系的(技術的)な要素が融合したものだと位置づけています。いずれにしても、アート思考を幼児期に身につけていることは未来の社会を生きていく上で大きな武器となることでしょう。




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